間口・奥行き分析により、新規客獲得に繋がるアイテムか? 固定化に繋がるアイテムか?を把握し最適な打ち手を構築します。

ID-POSを商談で活用
消費財・食品・飲料メーカーの営業担当者向け
・間口・奥行き分析とは?
・なぜ、間口・奥行き分析をする必要があるのか?
・分析をする際のコツや留意点
・商談でどう活用すればよいか?
間口・奥行き分析とは?

間口・奥行き分析の「間口」とは購入率のことを指します。ある期間のサブカテAの購入客数が50人でストアの客数が200人なら購入率は25%(50÷200)です。そして「奥行き」とはリピート率のことを指します。サブカテAの購入客数50人のうち対象期間内に2回以上購入した客数が15人であればリピート率は30%(15÷50)です。さらに、売上金額規模も抽出して3つの指標ををバブルグラフで表現すると上記のようになります。横軸が間口(購入率)、縦軸が奥行き(リピート率)、バブルサイズが金額規模として表現しています。つまり、右に行あるサブカテほど購入するお客様が多く(間口が広く)、上にあるサブカテほど再購入されやすく(奥行きが深い)、バブルが大きいほど売上金額規模が大きいことを示しています。
尚、「奥行き」はリピート率ではなくて1人あたり購入個数などで代用しても問題ありません。また、分析はサブカテではなくても「品種」「アイテム」「サイズ」ごとに分析しても問題ありません。
なぜ、間口・奥行き分析をする必要があるのか?

上記のようなバブルグラフで分析を行うと、各アイテム(上記ではサブカテゴリ)の立ち位置がよく分かります。
右下のゾーンは、購入率が高いけれどあまりリピート購入されていないので「新規客獲得に繋がるアイテム」と言えます。
右上のゾーンは、購入率・リピート率ともに高く金額規模も大きいので「売上の中心となるアイテム=スターアイテム」と言えます。仮に右下ゾーンを購入客のなかに右上ゾーンを未購入のお客様がいたらを併買してもらうことでリピート購入に繋がります。
左上ゾーンは、購入率は低いけれどリピート率は極めて高いので「顧客固定化に固定化に繋がるアイテム」「一度使ったらやみつきになる商品」と言えます。左上ゾーンは購入客数を増やす価値がある要注力ゾーンですので積極的に客数を増やしていくべきです。(推奨販売、サンプリングなどで…)
左下ゾーンは、他のゾーンにあるアイテムよりは優先順位が低いと理解ください。
以上のように、各アイテムの立ち位置によって取り組み内容が異なります。基本的な考え方として理会しておくべきことは、
新規獲得に繋がるアイテム → スターアイテム併買 固定化に繋がるアイテム → 1人でも多くのお客様にやみつきになってもらう
という2点です。
分析をする際のコツや留意点
分析する各アイテム(上記グラフではサブカテゴリ)は、並列の関係にあるべきです。化粧水と乳液と美容液…はOKですが、化粧水とメーキャップ全て…ではカテゴリの範囲が異なり過ぎますのでNGです。分析する際は、同一カテゴリ内のサブカテゴリ間比較やブランド間比較、ブランド内のライン間比較やアイテム間比較などが良いでしょう。
また、分析期間途中に発売された新商品は購入率もリピート率も低い数値になる可能性があるので注意が必要です。短い期間設定ですと、販促の有無が影響する可能性があるので、6か月間や1年間など比較的長めの期間で設定することをおすすめします。
グラフ作成時の留意点としては、左下ゾーンは基本的には優先順位が低いアイテム群なので極端に購入率/リピート率が低いアイテムは表示しない、もしくは軸目盛を調整するなどして主要アイテムを視覚的に分析しやすくする工夫が必要です。グラフはバブルサイズが大きくなると各バブルが重なり見づらくなるので、バブルサイズを小さく表示する工夫も必要です。
商談でどう活用すればよいか?

間口・奥行き分析は、商談で使用することも社内で戦略構築をすることにも用いることが可能です。
例えば上記グラフのように複数のブランド(もしくはブランドラインや商品)を前年の立ち位置から本年の立ち位置に矢印を加えると、各ブランドの変化が見て取れます。
これを社内で使用する場合、右下ゾーンにあるブランドは前年よりもリピート率が上昇しているか?(矢印が上を向いているか?) 左上ゾーンにあるブランドは購入率が上昇しているか?(矢印が右を向いているか?) を確認し、それぞれの課題が解決に向かっているのか?更なる対策が必要か?を確認することができます。
商談で活用する場合は、自社ブランドと競合ブランドを表示して力関係を示したり、仮に自社ブランドが競合優位でなくても前年との比較矢印の向きから「自社ブランドに勢いがある」「競合ブランドは衰えている」を示すことができれば商談が成功する可能性もあるのではないでしょうか。