コロナによる変化を考える(2021.08)

ID-POSを商談で活用

消費財・食品・飲料メーカーの営業担当者向け

昨年広がった新型コロナ肺炎は依然収束の目途が立たず、人々の生活は大きく変化をしています。それにより消費財・食品・飲料メーカーや流通業が置かれている環境も一変し、各社Withコロナ・Afterコロナへの対応が求められている状況です。本ページではキーワードを示しながら競争環境がどう変化していくかを考えていきます。※記載している内容は2021年8月時点の私見です。

コロナによる変化を考える(2021.08)

コモディティ化 とパーソナライズ化

新型コロナ肺炎に伴う外出自粛・マスクの着用・テレワークの実施・インバウンドの減少により、多くの業種・企業の業績にマイナス影響を及ぼしていることから、給与所得の減少が危惧されます(コロナ特需の恩恵を受ける業種もありますが)。消費財においても化粧品や一部の医薬品をはじめ使用機会が減少しているカテゴリも多くあります。
使用機会が減少してモノが売れない… 所得が減少したから安い商品で済ませてしまう… ことによるデフレの進行やコモディティ化(価格が安ければ何でもいいと捉えられてしまい商品価値で差別化ができなくなってしまうこと)が危惧されます。そもそも日本は人口減少による需要の縮小→デフレが進行しており、本年の消費者物価指数は前年比マイナス傾向が続いている状況です。
しかしながら一方で、消費の2極化という言葉があるように、コモディティ化が進行すると逆に差別化商品のニーズも高まります(コモディティ商品では満足できないこだわり層が一定数いるということです)。最近パーソナライズ化商品・サービスが増えてきているのもその傾向ではないでしょうか。

在宅時間増加による需要の変化

外出自粛やテレワークにより在宅時間が増えたことで、インターネット通販や宅配サービス・中食などのテイクアウト需要が拡大しています。Amazon、ウーバーイーツ、ネットスーパー、COOPなど新規・既存を問わず流通業に変化が起きています。また、商品で言うと大容量商品の需要が高まっています。食品や飲料・酒類で特にそのような傾向が見受けられますが、化粧品や日用品でも同様の傾向が推測されます。
その他にも、在宅時間を快適に過ごす商材の需要が高まっているようで、POSAカード(AmazonやiTunesなどのカード)はその代表例と言えます。

買い物時短による需要の変化

コロナ感染を警戒して、事前に決めた商品を短時間で買って帰る傾向が広がり、定番商品に売上が集中しつつあるそうです(2021年2月・日本経済新聞) ID-POS分析の視点で捉えると、カテゴリ上位商品のリピート獲得がしやすくなっている反面、新商品などのトライアル獲得が容易ではなくなっていると言えます(実際に、2020年は新商品発売数が減ったようです)
また、買い物回数を減らす目的で、まとめ買いや代理購買(家族全員で出掛けず代表者が購買)といった傾向も見受けられますので、来店前に自社商品の購入意思決定をしてもらう取り組み(TVCM・SNS・チラシなどで)や、プロモーション売場での目立つ+分かりやすい訴求が重要です。レジ付近の売場でプラス1品を訴求することも良いでしょう(買い物袋有料化によりレジ時間が長くなっているので)

清潔・健康意識向上による需要の変化

ドラッグストアで取り扱う商品のなかではマスクや除菌ジェルなどの需要が高まっています(言うまでもありませんが)。コロナ以前のマスクカテゴリは季節性の高い商品で年間の売上規模は決して高くありませんでしたが(売場スペースも広くありませんでしたが)、今やシャンプーよりも売上規模が大きいカテゴリに急成長しています。ストア内のカテゴリ構成比が大きく変わることで売場レイアウトや重点カテゴリの変更などが想定されますので、消費財メーカーの営業担当者は留意しておくべきでしょう。
また、マスクなど直接的なコロナ関連商材の他にも、健康意識の向上により健康食品や野菜飲料など身体に良い食品の需要拡大が期待されます。

非接触・デジタル化

「現金を触りたくない」「極力人と接することなく買い物を終えたい」というニーズが、キャッシュレス決済・セルフレジ・デジタルサイネージ・SNS活用など流通業の更なるデジタル化を後押ししています。 ただ一方で、デジタル化が進めば進むほど人恋しくなるのが人間ですので(笑)、コロナ収束後は適度な人との接点も渇望されると予測します。消費財メーカーの営業担当者は積極的にデジタル販促に注力しつつも、アナログとの適度な使い分けが求められるでしょう。

以上が2021年8月時点で筆者が考える、消費財・食品・飲料メーカーの営業担当者や流通業が押さえておくべき新型コロナ肺炎による変化です。
大きな変化が訪れる時には必ず新たな成功者が生まれるものですので、本ページを読まれた方も時流に乗り成功を掴めるよう Withコロナ・Afterコロナへの対応 を考えてみてください。本テーマについては今後も考えていくつもりです。