買い物調査や家計簿アプリの違い

ID-POSと、買い物調査や家計簿アプリ(レシートアプリ)との違いを説明

ID-POSを商談で活用

消費財・食品・飲料メーカーの営業担当者向け

・ID-POSデータの特徴
・買い物調査データやレシートアプリ(家計簿アプリ)の特徴
・その他の留意事項 代理購買
・ポイントカードの提示忘れ(報告漏れ)はどの分析にもある

各データの違いを簡単にまとめました。

家計簿アプリの違い

ID-POSデータの特徴

ID-POSは、小売業が発行するポイントカードを提示して購入されたレジ通過データです。大手ドラッグストアでは月間に数百万人のデータを集めることが可能なうえ、売り手(小売業)が保有しているデータなので、即時実績把握が可能です。

強み
サンプル数が多いうえに、データ更新も早いので、商品単位(SKU単位)の細かい分析や、直近期間の分析(先週の売上分析など)も可能です。
また、同一小売業で購入された商品であれば、どのカテゴリの商品でも把握できるので、ストア内の買い回り分析も可能です。

弱み
一方で、ポイントカードは小売業ごとに異なるので、同一小売業の購買データしか把握できません。(Tポイントなど、複数の小売業で提示可能なカードもありますが、全ての小売業で使えるカードはありません)
また、個人情報保護の観点などから、お客様の属性は性別・年齢くらいしか外部には開示されず、細かい属性分析はできません。

活用
小売業との商談では、ID-POSを活用して「得意先のお客様を増やす提案」を行うべきです。
また、データの更新が早いので、実績速報のような分析は営業部門だけでなく社内の多くの部門にも役立つはずです。

買い物調査データやレシートアプリ(家計簿アプリ)の特徴

買い物調査データやレシートアプリ(家計簿アプリ)は、買った人に調査したデータ(購入した商品を報告してもらったデータ)になります。(ID-POSは売った人のデータ)
買った人に報告してもらう必要がある為、サンプル数は少ないです(協力者を集めることが簡単ではない)
また、即時に協力者が商品を購入後、すぐに報告できるとは限りませんので、データの更新は遅いです。

強み
買った人の調査なので、ドラッグストア、スーパーマーケット、デパート、インターネット通販などあらゆるストアでの買い回り状況が把握可能です。
「20代の女性が年間で化粧品に何円使っているか?」といった分析にはこちらの方が
ID-POSよりも向いています。
また、調査の協力者の登録情報により、性別・年齢・職業・家族構成・年収など細かい属性分析が可能です。

弱み
調査に協力できる人が限られる為、サンプルに偏りがあります。
(調査会社は否定しますが…)
仕事・育児などに忙しくて時間がない人は調査に協力しにくいでしょうし(もし調査に協力していても、購入商品の報告漏れが多いと思われる)
「調査に協力して報酬を得たい」と思わないくらいのお金持ちの人や、PCやスマホ操作が苦手な人も調査には協力しにくいと思います。
また、サンプル数が少ないので、商品単位(SKU単位)の分析や日別分析など細かい分析も難しいです。

活用
あらゆるストアの買い回りが把握可能なので、ブランドマーケティング部門が戦略構築する際に活用ができます。

その他の留意事項 代理購買

代理購買とは、お父さんに頼まれたヘアリキッドを購入…など、自分以外の誰かの為に買うことを言います。
ベビー用品は100%代理購買です(赤ちゃんは自ら買えないので当たり前)
実際に分析をしていると「女性向け商品なのに男性が購入している」ことがあるのですが、
旦那さんが奥さんに頼まれた商品を代理購買した のか
女性向け商品をあえて旦那さんが使用する為に購買した のか
旦那さんのポイントカードを借りて奥さんが自ら購買した のか
はデータからは分かりません。
分析する際には、必ずしも購入者=使用者ではないということを留意して、背景にあるインサイトを分析する必要があります。

ポイントカードの提示忘れ(報告漏れ)はどの分析にもある

ID-POSではポイントカードの提示を忘れることがありますし、買い物調査やレシートアプリ(家計簿アプリ)では買ったことを忘れてしまう(レシートを貰い忘れる)ことがあります。
いずれも、外出先で予定外の購買(緊急購買)をした商品はポイントカードの提示漏れ(報告漏れ)が多いようです。
急な雨で傘が必要になった… 仕事中にストッキングが伝線した…
旅行に日やけ止めを持っていくのを忘れた… など

あえてポイントカードを提示しないで購入することや、あえて買った商品を報告をしないこともあります。
身体的な悩みを解決する商品を購入する際にはあえてポイントカードを提示しない(報告しない)ことがあるようです。

上記に該当する商品の分析は行わない方が良いということではなく、留意しておけばよい(知っておけばよい)ということです。